🏡生活と環境


園舎の建築について


聖ヨゼフ寮の園舎は芝生の中庭を取り囲むように配置された「集落」あるいは「屋敷」の新しいたたずまいを表現している。

南の遠く八面山を望む10万m2余りの広い敷地ではあるが、建物は低層、分棟(2棟の児童棟を含み6棟)、連結型で集中配置された。建築群は、さまざまな形の緩勾配、片流れの金属屋根で覆われているが、空を薄く削りとる「スカイ・スクレーパー」のように鋭利に、大きく張り出した軒先がつくるスカイラインを、新しい集落としての新園舎の景観デザインのライト・モチーフとしている。また、建物周りは豊後梅やクロガネモチなどの既存樹木と緩やかな起伏の芝生、潅木や生垣などの住宅的な緑化で囲み、「屋敷のような風景」という古くて新しい場所性を生み出そうとした。

在来木造の新園舎では、児童居室は幼児室(和室)を除き個室か2人部屋に限定し、杉のフローリング、木製の建具や家具で設えられている。つまり「脱施設化」、「住宅的居住環境での子育て」が追求されている。

このように、建築にせよ家具にせよ一貫して目指したものは、シンプルで地味ではあるが子どもたちにとって温かく安心な居住性であり、よりよいハウスキープで「古美てゆく」住環境である。

(園舎設計 建築家 藤木隆男氏)


⚫ 聖ヨゼフ寮 ⚫

敷地面積: 101,084.73m2   延床面積: 1,302.96m2  構造規模 木造+鉄筋コンクリート造 地下1階 地上2階

施工: 日本国土開発 竣工: 2004年5月


⚫ 放課後児童クラブ「まりあ」⚫

延床面積 : 229.38m2  構造規模 木造 地上2階

施工:高野建設  竣工: 2013年5月